準中型免許の新設

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平成27年6月に交付された「道路交通法の一部を改正する法律」により、平成29年3月から「準中型免許」が新設されることになりました。新たな「準中型免許」は、若い人がトラックドライバーの仕事に従事しやすいように新設された免許で、普通免許の保有を前提とせず、18歳で取得することができます。この新たな準中型免許によって、高校新卒者を始めとする若年ドライバーの積極的な採用に大きな期待がかかっています。そこで、SQブログでこの準中型免許がどう言ったものなのかご紹介いたします。

新たな免許区分

普通免許
18歳から取得できます。普通免許の対象となるのは、車両総重量が3,5トン未満の自動車です。軽トラック、ワゴン車、自家用のライトバンなど、主に小口商品の配送などで使用される車両が大半を占めています。

準中型免許
18歳から取得できます。準中型免許の対象となるのは、車両総重量が3,5トン以上、7,5トン未満の小型トラックです。主に近距離の配送に使用され、宅配便やコンビニ配送などのトラックとしても多く使用されています。

中型免許(普通免許等保有通算2年以上)
20歳から取得できます。中型免許の対象となるのは、車両総重量が7,5トン以上11トン未満の中型トラックです。中、近距離を中心に幅広い用途で使用されています。

大型免許(普通免許等保有通算3年以上)
21歳から取得できます。大型免許の対象となるのは、車両総重量11トン以上の大型トラックです。大型トラックは、主に都市と都市の間を結ぶ幹線輸送などの長距離で大量に荷物を運ぶ用途に使用されるほか、大きな建設資材や重量物なども輸送します。

準中型免許が新設された理由

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昨今、輸送品質が向上し、荷役作業の省力化のために保冷設備やパワーゲートなどの省力設備を装備した車両が増え、2トントラックでも車両総重量が5トンを超えるものが多くなりました。そうすると、こうした小型トラックを運転するためには中型免許が必要になります。しかし年齢や運転経験が必要になる中型免許のハードルは高く、高校新卒者などの若いドライバーが働く際の障害となっていました。そこで「貨物自動車に係る運転免許制度のあり方に関する有識者検討会」が開催され、より安全で、かつ国内の運送に関する実態に則した運転免許制度のあり方などについて議論が行われ、新たに車両総重量が3,5トン以上、7,5トン未満の集配用の小型トラックなどの運転を可能とする新たな免許区分、「準中型免許」が新設されることになりました。

準中型免許を取得するためには

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現行制度の普通免許を保有する人は、限定解除により準中型免許を取得することができます。現行制度の普通免許は、新制度では自動的に「5トン限定準中型免許」とみなされます。この5トン限定を解除して車両総重量7,5トン未満のトラックを運転するためには、指定自動車教習所で技能審査に合格(技能教習4時限が必要です)するか、運転免許試験場で限定解除審査に合格する必要があります。AT限定普通免許を保有する人は、別途AT解除が必要です。
新制度で初めて免許を取得する人は、指定自動車教習所にて技能教習41時限、学科教習27時限を受け、卒業し、運転免許試験場で学科試験及び適正試験に合格することで、準中型免許、及びに普通免許が同時に取得できます。もしも準中型免許を普通免許(MT)を取得した後に取得する場合は、まずは普通免許を取得し、その後に指定自動車教習所で技能教習を13時限、学科教習を1時限受け、運転免許試験場で適正試験に合格する必要があります。

準中型免許の新設によって、トラック運送業界への若い人の就業間口が大きく広がり、業界に新しい風が吹くことが期待されています。今18歳の皆さんも、20歳を待たずに小型トラックが運転できるようになりますから、仕事の幅が広がります。若人の皆さんは積極的に準中型免許を取得しましょう。

 

引用参考 パンフレット「準中型免許Q&A」