イエローカード、と聞くと違反のカードかなと思われる方も多いかもしれません。
しかし、トラックドライバーにとってのイエローカードは、まったく違います。
イエローカードは万が一のときに、非常に重要なものなのです。
プロのトラックドライバーを目指すなら、様々な知識を吸収しましょう。
危険物輸送中において、万一事故が発生すると人命、積荷または道路、近隣へ重大な影響を及ぼすおそれがあります。
イエローカードは事故時の措置等の情報が掲載され、総合的に危険物輸送の安全を図ろうとするもので運行中、必ず携行するよう国土交通省(自環第 48 号 平成 9 年 2 月 18 日)および消防庁によって指導されています。
イエローカードについて
イエローカード(緊急連絡カード)とは、事故発生時に役立つ情報が記載された黄色いカードのことです。
イエローカード(A4 版 表/裏)は、緊急連絡カードとも呼ばれ、化学物質の輸送時の事故に備えて、輸送関係者或いは消防・警察等が事故時に取るべき措置や連絡通報内容を明記したカードです。
イエローカードの内容で『どんなものをはこんでいるか』がわかります。
①「イエローカード」は消防法の危険物を輸送する場合や高圧ガス保安法の高圧ガスを輸送する場合の品名別の注意事項等を記載した黄色の書面である。
②「イエローカード」は消防法の危険物については「(社)日本化学工業協会」また、高圧ガスについては「高圧ガス保安協会」が作成したモデルに準じて荷主が用意するもので、輸送中はこれを携行する。
イエローカード(緊急連絡カード)で何がわかるのでしょうか。
イエローカードには、事故発生時に役立つ情報が記載されています。
役立つ情報
事故発生時の応急措置
緊急通報
緊急連絡
漏洩・飛散したとき
周辺火災のとき
救急措置
事故発生時の応急措置
停止表示器材(三角表示板)を後方に置き事故が発生した事を後続車へ知らせ、二次災害を防止しましょう。
初歩的な措置(ドライバーが何をすればいいか)
安全な場所へ移動(人家や人ごみを避け、できるだけ交通の障害にならにような場所へ移動し、エンジンを停止し、車止めをする)
事故を大声で告げ、人を風上へ避難させる
ハザードランプと発炎筒を起動
付近の可燃物を遠ざける
緊急通報
迅速・的確に情報を消防、警察へ通報しましょう。
あせらず・はっきり伝えることが大切です。
① いつ
② どこで
③ なにが
④ どうした
⑤ けが人は
⑥ 私の名前は
運送・荷主へも連絡しましょう。
上記同様、あせらず・はっきり伝えましょう。
漏洩・飛散したとき
危険性の有無を確認し、可能であれば漏洩を止める措置をとりましょう。
〈漏洩・飛散物の措置の例〉
保護具を着用し、風上で作業し、飛散防止のため土砂等で覆いましょう。
地面に飛散している製品を、スコップ、ほうき等で他の容器に回収します。
酸化性物質は有機物と接触すると発火・爆発する危険性があるので、付近の還元剤、有機物等の可燃物を遠ざけましょう。
回収後、飛散場所を硫酸第一鉄水溶液で洗浄します。
周辺火災のとき
危険性の有無を確認し、『近隣の避難を優先させるか』、『消火を行うか』を判断しましょう。
※周辺火災 自車の積荷は未出火だが相手車両等が火災を起こしている場合
容器を安全な場所に移動しましょう。
移動が不可能な場合は、容器または周囲に散水し冷却します。
救急措置
安全な場所へ移動し、『皮膚(目)への付着』、『吸入していないか』を確認します。
皮膚に付着した場合は、直ちに衣服を脱がせて、多量の水で十分に洗いましょう。
目に入った場合は、直ちに多量の水で 15 分以上洗いましょう。
粉じん・ガス等を吸入した場合は、直ちに新鮮な空気の場所へ移し、安静・保温を保ち、呼吸困難な場合や呼吸が停止している場合は、人口呼吸を行います。
患者が発生した場合は、もよりの病院へ運びましょう。
イエローカードのここを見る
特記事項、「災害拡大防止措置」をよく確認しましょう。
特記事項、飛散したときなどの「災害拡大防止措置」に記載された内容に従い応急の手当てを行いましょう。
安全に処理するために中和など一次処理が必要な場合もあるので、処理剤の記載にも留意することが大切です。
イエローカードは、事故発生時の対応の要となるものです。
もちろん事故が起こらないことが第一ですが、万が一巻き込まれてしまった際、このイエローカードがさらなる事故発生への未来を防いでくれるのです。
的確に、安全に対応できるよう、日々丁寧な運転を心がけるようにしましょう。
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