省エネ、エコロジー、環境問題……このような言葉は以前から取り上げられてきました。
企業としても個人としても、環境を守っていくために気をつけなければならないことはたくさんあります。
とくに物流企業は、エコドライブとして様々な対策を行っています。
プロのトラックドライバーを目指して、一緒に確認していきましょう。
環境面からも省エネの推進
1994年に発行した「気候変動に関する国際連合枠組条約」や、その締約国により1977年に開催された気候変動枠組条約第三回締約国会議(COP3)において「京都議定書」が採択されており、日本政府は、2002年6月4付の閣議決定により「京都議定書」への批准を決め、2005年2月16日にはロシアが批准したことにより「京都議定書」が発行されました。
削減の対象となる温暖化ガスは、二酸化炭素(CO2)、メタン(CH4)、一酸化二窒素(N2O)の3種と、冷蔵庫の冷媒などに代替フロン類のハイドロフルオロカーボン(HFC)、パーフルオロカーボン(PFC)、六ふっ化硫黄(SF6)の3種を合わせた6種であり、特に運輸部門では、二酸化炭素(CO2)の削減が要請されており、このことが直接省エネの推進につながっています。
地球温暖化による将来への影響
石油消費量が特に急増した最近の100年間で、すでに地表面の平均気温は、0.3~0.6度上昇しています。
このまま行くと、これから先100年間で平均気温は2~4度上昇し、さまざまな悪影響があると言われています。
(1)地球の平均気温が2~4度上昇すると、海面が50cmも上昇し、その分陸地が水没し、高潮などの被害に遭いやすくなり、低地に住む人たちに重大な影響が出ます。
(2)気温が上昇することで気候が不安定になり、異常高温や豪雨による洪水、異常渇水など、災害の多発が予想されます。
(3)急激な温度変化は生態系に大きな影響を与え、農作物や畜産物の収量が不安定となり、食料事情に重大な影響を与えると予想されます。
世界の二酸化炭素排出量(国別)2007年度
日本は、世界第5位の4.3%となっています。
国内の二酸化炭素排出量(部門別)2008年度
運輸部門は、約19%を占めています
運輸部門の二酸化炭素排出量(輸送機関別)2008年度
営業用貨物車は、約17%を占めています
経営面でも燃料費は大きなウエイトを占めています。
トラック運送事業の経営面で燃料費は人件費に次いで第2位の経費ですが、自助努力により節約できるものであり、また、環境面からも二酸化炭素(CO2)の削除につながることから、省エネを推進する運送事業者が増えています。
省エネのポイント
4つの省エネのポイントがありますが、特にドライバーによる省エネ運転の実施が効果を上げます。
省エネ運転
省エネ運転に努めることにより、窒素酸化物(NOX)や二酸化炭素(CO2)などの排出量の減少、安全運行、経費の節減へ寄与します。
車両の仕様
エンジン出力は、使用道路の勾配、高速道路の利用割合等の条件を考慮して、適正な大きさを選びましょう。
車体の軽量化、装備の簡素化、不要装備の排除により車両の軽量化を図ります。
保守、整備
エアクリーナの清掃、エンジンオイルの定期交換、タイヤの空気圧力への調整等を含め、定期点検整備を確実に実施します。
燃費の管理
個別車両の燃料消費率の変化を把握することにより、その車のエンジン、動力伝達装置、走行装置等の車両の健康状態の判断に役立てます。
経営面でも燃料費は大きなウエイトを占めているのです。
保守、整備
エアクリーナの目詰まりを除きましょう
エアクリーナが詰まっていると、空気不足になって燃焼が悪化し、燃費が悪くなります。
目詰まりインジケータが点灯したら、エレメントを清掃または交換してください。
目詰まり状態で使用すると、燃費が約3%悪化します。
エンジンオイルは定期的に交換しましょう
オイルの寿命以上に長く使うとオイルの粘度が固くなり、燃費が1~2%悪化します。
それ以上にエンジンの寿命が短くなるので、定期的にオイル交換をしましょう。
タイヤの空気は適正な圧力に保持しましょう
タイヤの適正空気圧はサイズ、強度記号によって変わりますので、正しい空気圧で管理しましょう。
トラックドライバーの役割は、ただ物を運ぶだけではありません。
ひとつひとつ意識して気をつけているだけで、エコドライブとして環境を守ることができるのです。
引用参考 省エネ運転マニュアル
Comments