エコドライブ、といってもその方法はさまざまです。
トラックドライバーの一員として確認していきましょう。
エコドライブ
トラック輸送産業は、国内貨物輸送の基幹産業として、今日のわが国の高度な経済活動や市民生活を維持するうえで重要な役割を担っています。
一方で、トラック輸送は、依然としてディーゼル車に大きく依存しており、地球温暖化の原因となる CO2(二酸化炭素)、大気汚染の原因となる NOx(窒素酸化物)や PM(粒子状物質)なども多く排出しています。
より低公害な車両や燃料の開発・供給及び道路環境整備など、社会全体で取り組まれるべき問題も多く残されていますが、車両を使う側としても、エコドライブやアイドリングストップ、確実な点検整備など、より環境に配慮した使い方を徹底しなければなりません。
トラック運送業界はこれまでも「環境基本行動計画」「環境対策中期計画」に基づき積極的に環境対策に取り組んできました。
その結果、自動車 NOx・PM 法対策地域の大気環境基準は概ね達成され、またトラック全体の CO2 排出量が 1990 年度比で大幅に削減されるなど、着実に成果を上げてきました。
エコドライブの効果
エコドライブ(ECO DRlVE)とは、
「ECOLOGY DRlVE」と「ECONOMY DRlVE」
を掛け合わせた造語であり、環境に配慮した運転方法により環境保護、資源保護、経済的利益、さらに穏やかな運転を心掛けることによる安全性をも追及しようとする運動に由来しています。
すなわち、エコドライブは単にエネルギー消費の節減や経済メリットを追及するだけでなく、排出ガスの抑制、事故防止、経営コスト削減など、「環境」「安全」「経営」の3つの効果を期待するもので、業界の環境対策の中でも重要な取り組み課題として位置づけられています。
エコドライブは、イコール穏やかな運転とも言えます。
そして、穏やかな運転により以下の効果が見込めます。
・環境対策
・地球温暖化防止
・大気汚染防止
・資源保護
・その他環境保全
・安全確保
・事故防止
・経営改善
・燃料・資材等コスト削減
地球温暖化問題
世界中の約160 力国・地域が参加して地球温暖化を防ぐための実効ある対策づくりを討議する地球温暖化防止京都会議が、1997 年(平成 9 年)12 月に開催され、先進国の温暖化防止策として、温室効果ガス排出削減目標を定めた「京都議定書」が採択されており、日本政府は、2002年6月4日付の閣議決定により「京都議定書」への批准を決め、2005 年2月16日にはロシアが批准したことにより「京都議定書」が発効されました。
・先進国は1990年を基準として2008年から2012年までに、温暖化ガス排出量を全体で 5%削減すること。
・主な国別で、日本は 6%、米国は 7%:欧州連合(EU)は 8%を削減すること。
地球温暖化の原因物質には、二酸化炭素(C02)、メタン、フロンなどがあり、これらは温室効果ガスとも呼ばれています。
これらの温室効果ガスの最大の発生源は化石燃料の使用であり、中でも二酸化炭素(CO2)の増加が最大の問題となっています。
特に運輸部門ではこの二酸化炭素(CO2)が今なお増加傾向にあり、燃料消費量の削減が大きな課題となっています。
地球温暖化による将来への影響
石油消費量が特に急増した最近の100年間で、すでに地表面の平均気温は、0.3〜0.6 度上昇しており、現状のまま推移するとこれから先の100年間で平均気温は2〜4度上昇し、地球環境に次のようなさまざまな悪影響があるといわれています。
地球の平均気温が2〜4度上昇すると、海面が50cmも上昇し、その分陸地が水没し、高潮などの被害に遭いやすくなり、低地に住む人たちへの重大な影響が予想されます。
気温が上昇することで気候が不安定になり、異常高温や豪雨による洪水、異常渇水など、災害の多発が予想されます。
急激な温度変化は生態系に大きな影響を与え、農作物や畜産物の収穫量が不安定となり、食料事情への重大な影響が予想されます。
大気汚染問題
自動車から排出される主な大気汚染物質のうち、窒素酸化物(NOx)の約 8 割が、また、粒子状物質(PM)についてはその全てがディーゼル車から排出されています。
こうした大気汚染物質は、大都市や主要幹線沿道で、呼吸器系疾患などの形で周辺住民への健康被害に影響を及ぼすとされており、今や大きな社会問題となっています。
特に、近年 PM に対しては、発ガン性や花粉症などとの因果関係も指摘されはじめており、この対策が急がれています。
引き続きディーゼル車に依存せざるを得ない現状のなかで、こうした大気汚染物質の排出が少しでも抑制されるよう、業界を挙げた取組みが求められています。
エコドライブは日本のみならず地球全体の課題のひとつでもあります。
トラックドライバーの皆さんは、きちんとエコドライブを行いましょう。
引用参考 エコドライブ推進マニュアル
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