みなさんご存知の通り、トラックには様々な種類があり、それぞれ重量、車高、車長、車幅などの特徴によって死角やスピードに影響があります。そのため、トラックの構造や特性に応じた運転が必要です。今回は、トラックの特性に合わせた運転の仕方をご紹介いたします。
トラックの「車高」に合わせた運転
乗用車は車高が約1.2mあるのに比べ、トラックの車高は約2mあり、そのことから視界が広く見えます。車高が高いということは、視点が高くなるので手前の路面も良く見えますが、車間距離が長く感じられるため知らず知らずのうちに車間距離を短めにとってしまい、追突事故の要因にもなりえます。車体の重心も高くなることで不安定になり、横転する確率も上がります。車高の高さから起こる事故として、看板などへの接触や追突を起こす事故が多いです。 スピードを出しすぎないよう、交差点では前車の減速や停止に注意しながら、適切な車間距離を保って運転するようにしましょう。
車高の違い
ドライバーは、運転する際に空車の場合と実車の場合の車高の違いを把握する必要があります。空車で出発した時には通り抜けられたガード下など、積載物を乗せた車高を意識しないでいると、誤って高所に衝突する場合があります。あらかじめ積載物の高さを認識して積載計画を立てて、最終的な車高をしっかりと把握することが大切です。積載時には車体が沈み、積載物が車高を上回らずに通り抜けられた場合でも、空車になった時に沈みが解消されてしまうと通り抜けられるとは限らないので、十分な注意が必要です。
高い重心の貨物積載時の横転や接触のリスク
トラックは車高が高いため、重心も高くなります。そして、フル積載時や工作機械などを運搬する時には通常よりも重心が高くなることがあります。そのような時、トラックは車両の重量自体も増加しており、カーブ走行時などには普段よりも強い遠心力が働き、かつ、重心が高いことによって走行が不安定になることから、横転する危険性があることを十分心に留めて運転してください。車長が長いトラックは内輪差が大きいので、曲がる時に車体が膨らんだりオーバーハング部がはみ出すなどの特徴があります。左折時には左側方の二輪車や歩行者を巻き込んでしまう危険がありますし、狭い道路に入るための左折時には、内輪差が大きいために車体がふくらんで、センターラインをはみ出して左折してしまうケースが多く、危険です。右折時には車体後部のオーバーハング部がはみ出すために、車体後部が後続車と接することがあり、事故の原因になります。
トラックの死角
トラックは車体の大きさやバンボディなどの車両特性から、死角がとても大きいです。特に左側後方の死角は大きく、左側から左後方にかけてはミラーに映る範囲以外はほとんど死角です。バンボディのトラックなどは、後方はほとんど死角になっていて見えない状態です。これは、後退時の事故の要因になるため、一旦下車して後方の安全を確認するか、同乗者などに誘導してもらう必要があります。後方の死角が大きい大型トラックはバックアイカメラを取り付けることで死角を大きく減少することができます。しかし、バックアイカメラにも限界がありますので、バックアイカメラを取り付けているからといって過信は禁物です。 次回は、車体重量の重たいトラックのスピードの特性などについてお話しいたします。
引用参考
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