トラックドライバーの皆さんは車両の定期的なメンテナンスをきちんと行っています。
点検を行うことで、エンジンオイルやタイヤの消耗度が把握できます。
適切に把握することによって、安全運転やエコドライブに繋がるのです。
エア・クリーナの目詰まり
エア・クリーナが目詰まりすると、吸入空気量が少なくなり、燃費が悪くなり出力が低下するだけでなく、黒煙の量が増加することになります。
エア・クリーナの目詰まりの状態をダストインジケーターなどによりチェックし、必要に応じて清掃又は交換しましょう。
噴射ポンプのノズル交換
噴射ノズルは、噴射ポンプによって高圧の燃料を高温、高圧の燃焼室内へ微細な霧状にして吹き込む装置です。
しかし、ノズルの噴射状態は、使用中に悪くなることがあり、燃費や環境に影響を与えるので定期的に調整したり交換する必要があります。
たとえば、エンジンを始動させた後しばらくしても黒煙がおさまらなかったり、積荷を載せて走行している際、エンジンに力がないと感じたら、専門の工場で噴射ノズルの点検を勧めましょう。
エンジンオイルの定期的な交換
走行距離などに応じて適切なエンジンオイルの交換が必要となります。
エンジンオイルを寿命以上に長く使うと、エンジンオイルの粘度が高くなり、エンジンを痛めるだけでなく燃費も3〜5%悪くなります。
交換予定距離や交換予定日を運転席にテープなどを貼って明示するとともに、その交換時期に達した時点で確実に整備管理者などに報告するようにしましょう。
ディーゼルエンジン・オイルの交換時期の例
★オイル別:一般道路/高速道路
★鉱物油
DH-2 マルチグレードオイル:2 万〜 4 万 km/3 万〜 6 万 km
CF 級マルチグレードオイル:2 万〜 3 万 km/3 万〜 5 万 km
CD 級シングルグレードオイル:〜 1 万 km/1.5 万〜 2 万 km
★合成油
DH-2 マルチグレードオイル: 〜 5 万 km/〜 10 万 km
マルチグレードオイル:〜 5 万 km/〜 10 万 km
エンジンオイルの選択
エンジンオイルは粘度が低いほど燃費が良くなり、粘度が高い程燃費は悪くなります。
また、粘度の低いエンジンオイルほどリング摩耗、メタル焼付、摩耗損失が早く始まるといわれています。
この相反するオイルの性能を同時に満足させるのが“マルチグレードエンジンオイル”で、低温では粘度が低く、高温では粘度が高いという特性を持っているのです。
マルチグレードエンジンオイルは、広い温度範囲で使用が可能です。
したがって、季節で使い分ける必要はなく、さらに始動性に優れており燃費改善効果も期待できるのです。
タイヤの空気圧と燃費
タイヤの空気圧が低いと、燃費は悪くなるといわれています。
空気圧が高いと燃費は良くなりますが、バーストなどが起きやすくなり、安全上の問題が生じることになります。
したがって、タイヤの空気圧は常に適正な範囲にしておかなければなりません。
タイヤの空気圧が適正な範囲にあるかをチェックしましょう。
チェックはタイヤが冷えた状態で必ずエアゲージを使って行いましょう。
タイヤの空気圧が高いと、次のような問題が生じます。
コード切れ及びバースト
タイヤ寿命の短縮
偏摩耗(センター摩耗)
乗心地の悪化
タイヤの空気圧が低いと、次のような問題が生じます。
内部発熱によるトレッド部とカーカス部のはがれ
タイヤ寿命の短縮
偏摩耗(片減り、肩落ちなど)
燃費の低下
タイヤの摩耗と燃費
摩耗したタイヤは、トレッドの動きが少なく、ころがり抵抗が小さくなるので、燃費自体は良くなります。
しかし、摩耗したタイヤは、濡れた路面などで滑り易く危険なため、摩耗の具合によって、適切に交換する必要があるのです。
★タイヤの使用限度に係わる基準(タイヤの残溝 単位:mm)
80km/h以上の走行時/全般
トラック・バス用
3.2mm以上/1.6mm 以上(タイヤのスリップサインの高さ)
小型トラック用
2.4mm以上/1.6mm 以上(タイヤのスリップサインの高さ)
軽トラック・乗用車用
1.6mm以上/1.6mm 以上(タイヤのスリップサインの高さ)
二輪自動車用
0.8mm以上/0.8mm以上
規定法規
自動車局長通達:昭和58.10.1 保安基準第9条2項
トラックドライバーとなってエコドライブをきちんと行えるように、上記のポイントを押さえておきましょう。
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