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執筆者の写真茂木 敦史

トラックドライバー基本のき 4

今回は、トラックとトレーラの右左折時の注意事項についてしっかり学んでいきましょう。

トラックもトレーラも大型車両ですので、周囲に気をつけて安全運転を心がけましょうね。

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トラクタとトレーラの連結方法

トラクタとトレーラの連結方法は、以下の手順で実施しましょう。

トラクタのカプラ位置とトレーラのキングピン位置を確認しながら、低速でバックします。

お互いの位置が合わないときは、ハンドルで修正するか、いったんトラクタを前進して、再度、位置合わせをしてバックします。

カプラのジョーがロックされたことを確認しましょう。

トレーラの駐車ブレーキをかけたまま軽く前進し、確実に連結されているか確認します。

トラクタの駐車ブレーキをかけ、

・ジャンパ・ホース、ジャンパ・ケーブルのコネクタを接続

・車輪止め、トレーラの駐車ブレーキの解除

・補助脚の格納(ギヤがかみ合った状態で所定位置にハンドルを収納)

を行いましょう。

  1. カプラ位置、キングピン位置を確認しながら低速でバック。

  2. カプラのジョーがロックされたことを確認。

  3. トレーラの駐車ブレーキをかけたまま軽く前進し、連結を確認。

  4. トラクタの駐車ブレーキをかけジャンパ・ケーブルのコネクタを接続。

  5. 補助脚の格納車輪止めの解除。

左折時による事故事例

事故の概要

国道から県道に左折するため、いったん車両を右に振り、交差点に進入しようとしたところ、信号待ちの乗用車が停止線より若干前に出ていた。

乗用車と頭突き状態のようになり、身動きがとれなくなるのを避けるため、車両前方に対する注意が集中し、左側方の確認がおろそかになった。

左後方から二輪車が走行してくるのに気づくのが遅れ、左後輪による巻き込み事故を起こした。

事故を起こした車両

自動車運搬用セミ・トレーラ

この事故を教訓とした注意点

左折の基本は、あらかじめその前からできる限り道路の左側端により、かつ、できる限り沿って徐行しましょう。

2車線道路から1車線道路に左折する場合は、左前方の停止車両や歩行者、右後方の後続車、左側方の二輪車など多くの点に注意して交差点を進行しましょう。

右折時による事故事例

事故の概要

夜間、T字路交差点を右折する際、一旦停止して左右の安全を確認したところ、かなり離れた位置に接近する車両のライトを確認した。

右折できると判断して発進した。

直進してきた自動車が当該車両と衝突を避けるため、急ブレーキ踏んだが間に合わず、フル・トレーラ部分に衝突した。

事故を起こした車両

フル・トレーラ

この事故を教訓とした注意点

大型トラックなどと異なり、右折に時間が長くかかることを認識しておくようにしましょう。

特に夜間、相手車両の運転者から見ると、車両長が長いトレーラと気づきにくい場合もあります。

また、車間距離を見誤る場合もあるので、相手車両など周りの動向にも注意しておく必要があります。

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揺り返しによる横転事故事例

事故の概要

通常より道路の曲がり具合が急な山間部を速度 50km/h で走行していた。

つづら折りのカーブを走行中、トレーラ荷台部の揺り返しにより横転した。

事故を起こした車両

タンク積みコンテナ専用トレーラ

この事故を教訓とした注意点

セミ・トレーラはカプラで結合されているので、カーブ走行中や進路変更時などに揺り返しが発生し、横転する場合があることを覚えておきましょう。

積み荷の状態、中でもタンクを積んだコンテナ専用トレーラの場合は液体の動揺が車両に影響を及ぼすこともあります。

カーブに進入するときは、事前にしっかりと減速しましょう。

ジャックナイフ現象による事故事例

事故の概要

コンテナヤードで実入りの海上コンテナを積載し、国道を速度 50km/h で走行中にゆるい右カーブにさしかかった。

カーブ手前、道路上に窪みがあったがそのまま進入した。

勢いでトラクタが跳ね上がり、トレーラも同様の状態となった。

そのままバランスを崩したままカーブにさしかかり、ハンドルを右に切った。

さらにバランスを崩してジャックナイフ状態となり、左側に転倒した。

事故を起こした車両

海上コンテナ専用セミ・トレーラ

この事故を教訓とした注意点

道路形状の悪いところでは、しっかり減速してから進入しましょう。

トレーラの構造的特徴と性能的特徴をもう一度把握しておきましょう。

以上のように、トラックやトレーラで走行中、様々な危険が伴います。

しかし、道路交通法や注意事項をきちんと守ることで、その危険は回避されるのです。

プロのトラックドライバーとしてルールを遵守しましょう。

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