今回は、トラックとトレーラの右左折時の注意事項についてしっかり学んでいきましょう。
トラックもトレーラも大型車両ですので、周囲に気をつけて安全運転を心がけましょうね。
トラクタとトレーラの連結方法
トラクタとトレーラの連結方法は、以下の手順で実施しましょう。
トラクタのカプラ位置とトレーラのキングピン位置を確認しながら、低速でバックします。
お互いの位置が合わないときは、ハンドルで修正するか、いったんトラクタを前進して、再度、位置合わせをしてバックします。
カプラのジョーがロックされたことを確認しましょう。
トレーラの駐車ブレーキをかけたまま軽く前進し、確実に連結されているか確認します。
トラクタの駐車ブレーキをかけ、
・ジャンパ・ホース、ジャンパ・ケーブルのコネクタを接続
・車輪止め、トレーラの駐車ブレーキの解除
・補助脚の格納(ギヤがかみ合った状態で所定位置にハンドルを収納)
を行いましょう。
カプラ位置、キングピン位置を確認しながら低速でバック。
カプラのジョーがロックされたことを確認。
トレーラの駐車ブレーキをかけたまま軽く前進し、連結を確認。
トラクタの駐車ブレーキをかけジャンパ・ケーブルのコネクタを接続。
補助脚の格納車輪止めの解除。
左折時による事故事例
事故の概要
国道から県道に左折するため、いったん車両を右に振り、交差点に進入しようとしたところ、信号待ちの乗用車が停止線より若干前に出ていた。
乗用車と頭突き状態のようになり、身動きがとれなくなるのを避けるため、車両前方に対する注意が集中し、左側方の確認がおろそかになった。
左後方から二輪車が走行してくるのに気づくのが遅れ、左後輪による巻き込み事故を起こした。
事故を起こした車両
自動車運搬用セミ・トレーラ
この事故を教訓とした注意点
左折の基本は、あらかじめその前からできる限り道路の左側端により、かつ、できる限り沿って徐行しましょう。
2車線道路から1車線道路に左折する場合は、左前方の停止車両や歩行者、右後方の後続車、左側方の二輪車など多くの点に注意して交差点を進行しましょう。
右折時による事故事例
事故の概要
夜間、T字路交差点を右折する際、一旦停止して左右の安全を確認したところ、かなり離れた位置に接近する車両のライトを確認した。
右折できると判断して発進した。
直進してきた自動車が当該車両と衝突を避けるため、急ブレーキ踏んだが間に合わず、フル・トレーラ部分に衝突した。
事故を起こした車両
フル・トレーラ
この事故を教訓とした注意点
大型トラックなどと異なり、右折に時間が長くかかることを認識しておくようにしましょう。
特に夜間、相手車両の運転者から見ると、車両長が長いトレーラと気づきにくい場合もあります。
また、車間距離を見誤る場合もあるので、相手車両など周りの動向にも注意しておく必要があります。
揺り返しによる横転事故事例
事故の概要
通常より道路の曲がり具合が急な山間部を速度 50km/h で走行していた。
つづら折りのカーブを走行中、トレーラ荷台部の揺り返しにより横転した。
事故を起こした車両
タンク積みコンテナ専用トレーラ
この事故を教訓とした注意点
セミ・トレーラはカプラで結合されているので、カーブ走行中や進路変更時などに揺り返しが発生し、横転する場合があることを覚えておきましょう。
積み荷の状態、中でもタンクを積んだコンテナ専用トレーラの場合は液体の動揺が車両に影響を及ぼすこともあります。
カーブに進入するときは、事前にしっかりと減速しましょう。
ジャックナイフ現象による事故事例
事故の概要
コンテナヤードで実入りの海上コンテナを積載し、国道を速度 50km/h で走行中にゆるい右カーブにさしかかった。
カーブ手前、道路上に窪みがあったがそのまま進入した。
勢いでトラクタが跳ね上がり、トレーラも同様の状態となった。
そのままバランスを崩したままカーブにさしかかり、ハンドルを右に切った。
さらにバランスを崩してジャックナイフ状態となり、左側に転倒した。
事故を起こした車両
海上コンテナ専用セミ・トレーラ
この事故を教訓とした注意点
道路形状の悪いところでは、しっかり減速してから進入しましょう。
トレーラの構造的特徴と性能的特徴をもう一度把握しておきましょう。
以上のように、トラックやトレーラで走行中、様々な危険が伴います。
しかし、道路交通法や注意事項をきちんと守ることで、その危険は回避されるのです。
プロのトラックドライバーとしてルールを遵守しましょう。
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