台風や豪雨でジメジメした日々が続いています。そんな時に飲む冷えたビールは格別ですね。しかし、飲酒運転(酒酔い運転、酒気帯び運転)は、極めて悪質で危険な行為です。万が一ドライバーが飲酒運転をし、それを会社が容認していた場合や飲酒運転による事故を起こしたり、飲酒運転防止への指導監督が不十分であった場合には、事業停止や自動車使用禁止などの厳しい処分を受けることになり、社会的な信用も失墜し経営に重大な影響を与えます。
飲酒運転が事業者に及ぼす影響
道路交通法第75条において、自動車の使用者(事業者)や自動車の運行の管理を行う者(運行管理者)は、飲酒運転や過労運転、過積載運転などを命令したり容認してはならないと定められています。これに違反した場合には、下命、容認した事業者や運行管理者などが懲役などの処分を受けます。 具体的には、事業者が飲酒運転などを下命、容認した場合には、その営業所は14日間の事業停止の処分を受けます。事業者が飲酒運転などを伴う重大事故にかかわる指導監督義務を違反した場合、7日間の事業停止処分を受けます。ドライバーが飲酒運転を引き起こした場合は、初違反で100日車、再違反で200日車の処分を受けます。 実質の行政処分だけでなく、飲酒運転は会社のイメージを著しく悪化させ、荷主の信用を失うだけでなく社会的な信用も失墜し、経営破綻につながる重大な行為です。
飲酒運転がドライバーに及ぼす影響
道路交通法において、飲酒運転を犯したドライバーに対する罰則はとても厳しいものになっています。酒酔い運転を犯すと、5年以下の懲役または100万円以下の罰金を科せられ、35点の違反点数がつき、免許も取り消されます。そしてその後3年間は免許が取得できません。酒気帯び運転の場合は、3年以下の懲役または50万円以下の罰金を科せられます。呼気1リットルにつき0.25mg以上のアルコールが検出されると、25点の違反点数が科せられ、免許の取り消し、その後2年間は免許が取得できません。呼気1リットルにつき0.15mg以上0.25mg未満のアルコールが検出されると、13点の違反点数が科せられ、90日間の免許停止の罰則が科せられます。これらの行政処分はいずれも、前歴がない人の場合のみです。 自動車運転死傷行為処罰法により、飲酒運転で人身事故を起こすと「危険運転致死傷罪」を受けることになります。アルコールの影響により正常な運転ができない状態で人身事故を起こすと、負傷事故の場合は15年以下の懲役、死亡事故の場合は1年以上20年以下の懲役を科せられます。アルコールの影響により正常な運転ができない恐れのある状態で人身事故を起こすと、負傷事故の場合は12年以下の懲役、死亡事故の場合は15年以下の懲役を科せられます。飲酒運転による死傷事故の後にさらに飲酒したり、その場を離れて酔いを醒ますなど飲酒の程度をごまかす行為をすると「過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱罪」が適用され、12年以下の懲役が科せられます。 このような危険運転致死傷罪が適用されない場合でも、自動車の運転上必要な注意を怠り、人を死傷されると、過失運転致死傷により7年以下の懲役もしくは禁錮、または100万円以下の罰金が科せられます。 社内の懲戒規定でも、飲酒運転のドライバーには厳しく処分されます。懲戒規定は大きく分けて、就業規則などで明確に「懲戒解雇」などの処分を定めているケースと、懲罰委員会などで審議した上で処分を決定するケースがあります。 このように、ドライバーに対する罰則はとても厳しいもので、その結果、解雇されて失業したり、そこから生活崩壊や家庭崩壊を招いてしまうケースも決して珍しくありません。
アルコールの分解速度
体内に入ったアルコールは、一定時間血中に留まります。一般的に、体重60kgの人が500mlの缶ビールを飲んだ場合、アルコールが消えるまでには3、4時間かかると言われています。例えば、3本の缶ビールを飲んだ場合、8時間経ってもアルコールが残っている状態であると言えます。飲酒後8時間が経過してもアルコール血中濃度が必ずしも平常値に戻るわけではありませんし、アルコールが消えるまでの時間は個人の差も大きく、年齢や体質やその時の体調や飲酒量によって大きく左右されます。 長時間の運行前夜や、仮眠前などに寝つきをよくするために飲酒するドライバーもいますが、これが酒気帯び運転につながる大きな原因となります。お酒は責任を持って、適量楽しみましょう。
引用参考 飲酒運転防止対策マニュアル
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